======= もくじ =======
アニメやゲームのキャラクターを忠実に再現した舞台公演を2.5次元舞台と呼びます。
かなりのムーブメントになってることは知ってたもののずっと敬遠してたんですが、ついに先日、ナマの2.5次元舞台観劇デビューをしてしまいました。
スマホ向けアイドル育成ゲーム、「あんスタ」こと「あんさんぶるスターズ!」の舞台版、「あんさんぶるスターズ on stage」、通称「あんステ」の舞台化第4段、To the Shining Futureという作品です。
その1つ手前に、Judge of Knightsという公演がありました。
いつか2.5次元については書こうと思っていたんですが、これのDVDが発売になって、ナマで4作めを見たタイミングでいろいろ考えたことも追加されたので、この作品を紹介?しつつ、2.5について思うことなどもからめて書いていきたいと思います。
ご注意
- 感想や考察は少々入りますが、基本的に観劇レポートやレビューではありません。
- スピも入ります(・x・)
- 長いです(・x・) エディタのカウンタで17500文字ちょっと。
以上汲んでいただいた上で、先へお進みください。
2.5次元舞台と「舞台化」の境界線
いつごろかは識者の解説におまかせしますか、「2.5次元」という言葉があちこちで使われるようになりました。
2.5次元、すなわち2次元、アニメやマンガの世界を具現化した舞台。
といっても過去にもアニメやマンガを原作とした舞台作品はそれなりに上演されています。
それと2.5次元はどこが違うのか。
個人的な見解ですが、
「舞台化」は原作を舞台上に持ってくるもの
2.5次元は舞台を原作の中へ持っていくもの
だと思ってます。
つまり、いかに原作の世界観、キャラクターを、あらゆる意味で忠実に再現するか、が2.5次元舞台のキモではないかと思ってます。
たとえばこちら。
松坂桃李くん主演の銀英伝舞台のビジュアルです。
まず、それを言われないとなんだかわかりません。
で。
ええと・・・・誰が誰かな(・x・)
まあ、さすがに殿のラインハルトとキルヒアイス
は、私は原作知ってますからこれが帝国側の銀英伝だと言われればたぶんこの二人がラインハルトとキルヒアイスだろうなとわかりますが、
原作、というか、このアニメ版(キャラデザも数種類ありますが)でもイラストレーターが数回変わってる原作イラストのどれかでも、とにかく「原典」を、完全に忠実に再現してるかと言われると、そうではありません。
もう帝国の軍服からして、ぜんぜん違います。
たぶん舞台版のほうが立派で繊細なんだと思いますけど、言われないと銀英伝のビジュアルだとはわかりません。
さらに、宝塚版なんかもっと遠いです。
それが悪いという話じゃなくて、一般的な「舞台化」とはこういうものですよね。
では2.5次元ってのはどういうものかというと、
これを
こうする世界(・x・)
中の人というか上の画像のひとの素顔です。
正直私レベルの顔認識能力だと、化粧落とした顔と役の顔がマッチしません。
ツイッターにオフショットをばんばん流してくれる子だとフォローしてTL見てればある程度素顔のほうも覚えていきますが、その同じアカウントで今日からこれをやりまーすって役の化粧した顔あげられても、やっぱり素顔とはなかなかリンクしません。
といっても、私が人の顔認識能力にかなり欠陥があるのでわからないだけで、彼らが化粧したら似ても似つかない別人になるわけではないですし、相当見続けてると私でもいちおう、役作りをした顔と素顔が徐々にリンクしていきますが。
それでも、松坂桃李くんがラインハルトの服を着てても、写真を見て思うのは「あ、殿(のラインハルト)だ」(すいませんシンケンジャーで彼を知った人間の大部分はどうしても何年たっても彼を「殿」と呼んでしまうのです)で、三日月の衣装着てメイクをした鈴木拡樹くんを見て思うのは「あ、鈴木拡樹」ではなく「お、三日月宗近」です。
これが、舞台化と2.5次元の差だと思います。
敬して遠ざけたい
そんな2.5次元舞台。
私はごく最近まで、
うん、お好きなひとはどんどん楽しんでいいと思うけどね?
自分で観るのは、ちょっと(;・∀・)
というスタンスでおりました。
いやーだって、アニメ絵のキャラを人間が演じるわけですよ。
いくら再現って言ったっていろいろと、無理があるでしょう。
髪の毛ひとつとったって赤とか緑とかピンクとか紫とか、髪型も物理の法則からいってそれ無理だろ、みたいなの多いし。服だって、それこそ2次元だからこそ許されてるんでしょっていうようなものばかりです。
さらに言うとそもそも絵ですから、どんな美形だって描こうと思えば思いのままです。画力の問題はおくとしても。実在する人間よりはるかに美しく整った容貌やプロポーションのキャラクターとして、いくらでも設定できるわけです。
それを。
最近はずいぶん体型も顔立ちも西欧ナイズされた子が若い子には増えてきたとはいえ、
演じるのは基本的に日本人です(・x・)
私じつは、コスプレって基本的に好きじゃありません。レイヤーの友人もいますし、すべてを否定するわけではありませんが。
それこそ、もとのキャラと寸分たがわぬ姿になれてるわけでもないのに、あたかも自分がそのキャラであるようにふるまう自己陶酔って、イタくて見てられません。
最近はなんだかあれも妙な文化が育ってきていて、ただ服を着てイベント会場を練り歩いたりパフォーマンススペースで決めポーズとってみたりするだけじゃなく、こちらも素人のあるいはプロはだしのカメラマンと組んで深山幽谷なんかに分け入ったり寺や屋敷や馬をレンタルしたりとかしてそのキャラと世界観を表現した写真を撮ったり、同じ作品のコスプレイヤー何人もで集まって大掛かりな写真撮影会を開いて、その写真を自分(たち)の「作品」として発表する、なんていうのも増えてきました。
そういう写真になるとさすがに、ものによっては「おおー」と思って、これは再現度高いわー、と感心することもあるんですが。
そのことによって自分をまるで「コスプレでその世界の世界観を表現する使命を持って生まれて来た」かのように自画自賛してたりするとドン引きします。
そして自分の写真をそうやって人に見せようなんてタイプはどうやったってナルシストじゃないですか。なので、たいていご本人のツイートとかイタくてやっぱりダメになります。
また、とくに同人誌即売会の会場ではたくさんの勘違いレイヤーさんを見ます。
本人がそれで楽しいからいいんでしょうけれど、背の高いキャラのコスをするのに、背丈が足りないからものすごい厚底とか履いてバランスとれないし歩きにくいらしくて妙な中腰で歩いてたりします。髪型も、ウィッグでも自分の髪をセットしたのでも、やっぱりアンリアルなことこの上なく見えます。
そもそも同人誌即売会会場にそのキャラが立ってるってだけである意味原作レイプです。
しかも、背丈のみならず顔だちやプロポーション、髪型、髭のあるキャラの髭をただ顔の一部をその形に塗るだけだったり、とにかく原本と同一じゃない。なのに、スター気取りでカメラの前でポーズとったりしてる。その勘違いした姿が正視に耐えません。
それはつまり、若かったころいろいろ勘違いしてイタいことをかっこいいと思って得意げにやってた過去の自分への自己嫌悪なわけですが。
そして原作キャラをそのまま再現しようとする2.5次元舞台は、私にとってその延長線にあるようなものだったんです。
なので、見たらたぶんイタくて(自分へのブーメランが)、いたたまれない。
自分のちゅうにごころが形をとって目の前に出てきたみたいなものに思えて、気恥ずかしくて見てられないんじゃないだろうかという気がして、とても踏み出す勇気が持てません。
さらにもうひとつ。
私は腐女子でありながら萌えとはあまり親和性の高くない性質なんですよね。
特定のキャラにものすごく萌えるとか、寝ても覚めてもそのキャラなり作品のこと考えてるくらいめっっっっっっっっっっっちゃ好きになるとか、そういうの、ほとんどというか、ゼロにかなり近い値で、ありません。
なので、放送が終わったら終わったではいおつかれさまー、で終わります。
二期を熱望したり、アニメ雑誌に新規描き下ろしイラストがたかだか1枚載ったからといって狂喜乱舞したりしませんし、あのキャラにまた会いたいと胸を焦がしたりもしません。二期がくるならくるで喜ぶし見ますけれど、「製作されたらいいのになあ」程度です。
なので、この作品が舞台になるとか聞いてもふーんぐらいにしか思わないし、とくに行ってみたいとも思いません。
2.5次元は熱烈に愛してて同じような髪色と髪型してアニメを忠実に再現した服着てれば「本人だ!!生きてる!!!誰誰ちゃんはほんとにいたんだ!!!」って素ラピュタができるくらい没入できるファンが楽しむもの。
そう思っておりました。
それと、舞台化作品の多くはミュージカル(・x・)
キャラクターが歌を歌う、という時点で、もうすでに原典を大きく逸脱してます。(私基準。だってキャラは画面の中じゃ歌わないじゃん←アスペの主張する同一性)いやまあ、キャラソンという、キャラクターがキャラクターとして歌ってCD出す文化もあるにはあるんですが、それはあくまでもグッズ展開の一部であって作品内の話ではないのでおいといて。
役者さんですし、ミュに採用されるなら一定の歌唱力はあるのかもしれませんが、ミュージカルということはセリフの一部として、演技を入れて、歌、う・・・?(・x・)
そう考えた時に頭に浮かぶのはオペラのアリアと、レ・ミゼラブルや、ラ・カージュ・オ・フォール。
それを、アニメキャラが、舞台の上でやる。
それ、もうその時点で「原典を忠実に再現」してない(私基準)。
と思うと、怖いもの見たさがある一面、やっぱり行きたいとは思えません。
最初の一歩
そんな中。
刀剣乱舞というゲームが、舞台化されることになりました。
少し上のほうに画像をのせたやつです。
最初はミュとして舞台化されました。
ミュだったのでもうてんからスルーです。
知り合いにそちら方面がすごく好きな人がいるんですが。
その人のツイートを見ると、やっぱり歌唱力方面で/(^o^)\となっちゃうような舞台だったようです。
まあ、しょうがないよね歌手じゃなくて役者なんだし。
ただ、愛があるとそのちょっと音程とっぱずれるようなところもクセになったりかわいさになるってことはかつて声優ヴォーカルをいろいろ聞いてきた身としてはよくわかるので、それはそれで見守るのもはらはらしながらも楽しいんだろうなあ、と微笑ましく他人事として見てました。
ところが。
なにせ刀剣乱舞はここいらの業界で近年最大の超絶大ヒット作です。ここまでの巨大市場が形成されたのってへたしたらほんとに30年ぐらい前のキャプテン翼時代以来ぐらいじゃないのかしらってくらい巨大なマーケットです。
今度はミュじゃなくてステをやる
というのが発表されました。
しかも、私には理解できない名前の並んだ出演者リストですが、これは2.5次元ファンなら誰もがチケットを確保したいと思う、ディープな人ほど震撼して卒倒する超絶豪華キャストなんだそうです。
へー。と思って。
別に偉そうに言えるほどいろいろやったわけじゃありませんが、いちおう基本は作る側としてオタク系文化をずっと見てきた人間としては、そこまで一つのジャンル、文化として確立したものなら一度ぐらいは見ておいてみるべきじゃないのかなあ、という気がしてきました。
幸い、刀剣乱舞は知らないゲームじゃありません。いちおうサービスイン当初からプレイしてます。
まあ、ゲーム性が異様に低いのでけっこうもう飽ききってますが、それでも文句言いながらも続けてるゲームです。それだけ、いろいろ文句言ってるから認めたくはありませんが(笑)好きなゲームなんでしょう。
推しはいますが激烈に萌えあがってるわけでもなく、かつ、こういう華々しい舞台化にピックアップされるような人気あるいは配置しておくと何かと動かしやすいトリックスター的なキャラじゃありません。でも、推し以外興味がないわけじゃありませんし、嫌いじゃないキャラがけっこう出てます。というか、嫌いなキャラが1人しか出てません。
そして、2.5次元役者を上から順番にひっこぬいてきて並べたと言ってもいいほどのドリームキャスト中のドリームキャストだという話のキャスト陣。
実感はもちろんないわけですが、つまり、現在企画されている2.5次元舞台の中では考え得る限り最高品質の舞台が見られるはず。
好きだから萌えがあるから推しだから、というモチベーションで劇場に行くことのできない私にとって、これはかなりちょうどいい感じのお膳立てのように思いました。
これなら、見てもいいかなあ(・x・)
でもやっぱり、2.5次元を目の前で見るのは抵抗があります。
だって、キャラビジュアル紹介、なんてのを見にいくと、いや、絵のとおりです、絵のとおりですけど、つまり現実にはありえないような髪色で髪型で服装なわけです。
ちょっとこれ、リアルで見たら、中学生のころに「発明」して得意になって毎日となえてた「オリジナル魔術」の呪文を目の前で大声で読み上げられるような気持ちになると思う。(中学時代にそういうことをやってたわけではありません)
というわけで、ライビュをとりました。
ライビュというのは「ライブビューイング」の略で、本会場で上演中の舞台の映像を各地の映画館へ中継して、それを鑑賞する、というものです。
これならまあ、いちおう同じ時間本会場でまさにそれが上演されてるわけですが、こちらはスクリーン上で見るわけなのでやや映画やテレビを見てる感覚ですこし遠い心理的位置から見られるので少し安心感があります。
ところが。
いざそのライビュで上演を見たら、これがあなた(・x・)
ほんとに再現してるんです、キャラを(・x・)
たんにビジュアルだけじゃなく、口調や言い回し、ゲームでは通常立ち絵は1枚しかないんですが、それがもし動いたならばこういう表情をするだろう、こういう反応をするだろう、という想像の線上にある姿を、ちゃんと演じてるんです。
声でさえ、なんとなく似て聞こえる。
こっちが照れる余地さえありません。呪文を読み上げるんじゃなくてほんとに唱えて魔法使ってます。
いやーびっくりした。こんなにちゃんと再現できるものなんだ。
と、認識を新たにしました。
とてもよくできた舞台でした。
結果、目の向いたもの
この時、登場していたキャラクターの中に薬研藤四郎というのがいました。
ゲーム内の設定上、ショタつまり少年キャラで、
こんなキャラです。公式設定によると身長153センチ。
これが舞台だと
こうだったんですが、これが実際に動いてるところを見たら、
驚くほどちゃんとショタでした。
役者さんはもちろん、もう成人してます。背だってべつにちっとも低くありません。
というか、この記事のサムネ画像
これの左から2人めです。
だいぶ彼の顔を見慣れたつもりの今でも、同じ役者だと私の目では認識できませんが、同一人物です。
並んでるところを見てもわかるようにふつうの身長、むしろこのメンツじゃ背高いほうです。
なのに、短パンのふとももがものすごくちゃんと少年で、ちゃんとほかの登場人物より小柄な少年に見える。
ここで、この北村諒、通称きたむーという役者さんに興味がわきました。
まあ、だからといって、知ってる刀剣乱舞でさえライビュですませたような私です。
彼が出てるほかの2.5次元舞台を観にいこうとはとくには思いません。
原作知らなきゃ話もわかんないだろうし、そのために予習する気もありません。
ただ、この北村くんが、とあるスマホゲームでCV、キャラクターの声を担当してるということを知りました。
そればかりか、その作品の舞台公演でも自分の役を演じてるんだそうです。
(最近は2.5次元の子がキャラの声をあてて舞台化された時にその役を演じる、というか舞台化を前提にして2.5次元役者をキャストに起用する作品は、とくにソシャゲは増えてきてますが、当時はたぶんかなり珍しかった)
なんで回ってきたのかわかりませんがやっぱり刀ステ以降私のTLの人への認知度もあがったのか(だいたいみんな刀剣は手を出してるので)、この作品の上演時、彼の楽屋の鏡台に並んでる基礎化粧品がとんでもなくお高くて正統派のお姉様がた向けラインで、アイドルで現役モデルでオネエという設定のこのキャラならこんな化粧品を使っててもおかしくない、そういうところまで役を作り込んでてすげえ、なんて話も見かけました。
ソシャゲかー。
しばらく迷ったんですが、はじめました。
それが、今回観にいったあんステの原作にあたるあんスタ、あんさんぶるスターズ!です。
次の一歩
あんスタを、ちょっと気になる、程度でしたがほかにフックもなかったのでとりあえず彼の演じてる、嵐というオネエキャラを推しとしてプレイをはじめて、構成面でややついていきにくい面があったこともあってシナリオはメインシナリオ以外はほぼまったく読まずに、カードを集めて育てることだけをだらだら続けること1年ほど。
あんステで、私の、いちおうの(笑)推しである嵐の所属するユニット、Knightsを主人公とした新作が上演されることになりました。
アプリ内でたぶん先行予約とかあったはずなんですけど当初は観る気皆無だったのでまったく記憶してないレベルでスルー。
でも、なんとなく、ちょっと気になってきて。
とはいえ今回はキャスティングされてる役者さんのレベルもよくわかりません。北村くんがうまいのは知ってるし、刀ステに出てた子がもう一人出てたので、その子もたぶんじょうず。
あとはわかんない(・x・)
本会場いっちゃって、あまりに学芸会で白目剥いちゃったら悪いし、あと、繰り返しになりますが私はこの手の舞台は基本的にその作品の強烈なファンがいくものだと思ってるので、そういう熱の持てない自分はアウトサイダーだと思ってます。こういうものはどうやらペンライトを振るらしいですし、そんなもの持ってないし、ペンライト振って熱く声援を送る観客の熱量についていけるか不安です。
圧倒されるのもそうですけど、まわりが最高潮に盛り上がってるところで一人だけしらーっとしてるのは回りのひとにもキャストさんにも悪いですし。
そこで、ちょうどその時発売になってたライビュのチケを取りました。
どうやら、ゲーム内の(たいへんに人気のあった)イベントを舞台化したそうです。
私はそのシナリオ読んでない、というかそのイベントの開催時にはゲームやってなくて。
イベントの復刻が実装されてプレイできるようにはなったものの、面倒で放置してました。
というわけで、Knightsが主人公である、ということ以外、もちろんゲームである程度キャラは把握してますが、該当イベントのストーリーについてはほぼなにも知らずに(笑)当日劇場へいきました。
いちおう設定上もアイドルですし、ユニットごとのCDも3枚めが発売されつつあったところでしたが、第2段のときかな?試聴動画を1回再生したっきりほっぽらかしてて、曲も知りません。
そんな状態で幕があがりました。
やっぱり、さすがに刀ステほどのレベルではなくて、いろいろと気になります。
とくに気になったのが、
ちびっこキャラの縮尺がおかしいことと、
ショタユニットが不自然すぎること⊂⌒っ `ω、)っ
強調しますが、もともとが絵です。
設定上は高校生だけど小学生にしか見えない身長とプロポーションのキャラを、やや小柄ではあるものの、ふつうの人間サイズの役者さんが演じてるわけです。
昔、「エイリアン通り」でシャールくんが映画のヒロインを演じた時、彼を小柄な少女に見せるために周りの役者さんたちに大柄な人を集めたり、家具をやや大ぶりに作ったりしてましたがこれはその逆で。
小柄という次元をはるかに越えた小学生あるいは幼稚園児レベルの身長とプロポーションのキャラの衣装や小物を、ふつうの人間がそのバランスで着られるように仕立てると、たとえば本当は手のひらサイズのものを手まるごとの大きさで作ったりしないといけなくなります。
縮尺がおかしくなるんです。
横一列に並んでても、人間に対してキャラと同じ比率で作ってある衣装のせいで彼だけ拡大されて見えるんですね。
それを、さらに巨大な映画館のスクリーンでアップで見せられる。
まあ、これが気持ち悪くて気持ち悪くて(;・∀・)
もうひとつの、ショタユニットのほうは。
原作ゲームは、絵師さんのこだわりなのか、複数人いるようなのでそういうコンセプトなのか、はたまたディレクターなり事実上チームの中核となっている誰かのこだわりなのか、
腹チラが多いんです、イラストに。
すきあらば腹チラが入ってきます。
このユニットは、そもそも衣装が腹チラするようなデザインでして。
絵ならね、ほんのちょっぴりデッサンを無視して胴を長くしてチラ見せすればいいんですけども。
※それでもやりすぎると長身細身美形なのに腹だけ異様に長いというおかしな胴長キャラになります。なにとは言いませんが某アイドルものアニメとかほんとはそれちんちん見えるっしょってレベルで鼠径部見せてるのにその下にさらにふつうにズボンあるもんだからすごい気持ち悪かった。
それを現実の人間が着る服で実現しようとすると、かなり上をつんつるてんに、下をだいぶヒップハングというかもうそれ脱げかけじゃねーのというレベルで下げて着ざるを得ない。
しかも半ズボン。
ちょっとジャンプしたりくいって体ひねった時に腹がちらっと見えるように。
つんつるてんの上着と、ものすっっっっっっごくだらしなく脱げかけたような半ズボン。
その下はと見ると、かわいいかわいいショタ系ユニットであるはずの半ズボンの裾から、
がっつり筋肉のついたたっくましい膝とふくらはぎがずどーーーーーん!
と出てるんです(・x・)
しかも、映画館の大スクリーンに、そのぶっといお膝がどアップで(・x・)
これは、ライビュの弊害だったかもしれません。私は細かいことが目につくとそのことばっかり気にしちゃうタイプのアスペなので、実寸をはるかに上回るサイズで、アップになっちゃったので、なおさら気になったんでしょう。
演技力もあちこちちらちら気になるものがあります。まあ、そのへんはそういう面もあるだろうと最初から思ってましたし、期待してなかった、という意味で、そこに文句はとくにありませんが。
でもやっぱりね、歌はね、あまりにアレだとちょっとね・・・(;・∀・)
時折こっそり爆笑しつつ、随所随所で頭を抱えながら、曲はわかんないしペンライト持ってないし、やっぱり予想どおり、微妙に身の置き所なく、はしっこのほうの席でよかったなあ、と思いつつ、中継を鑑賞してました。
が。
ラストで号泣しました。
は?(゚Д゚ )
って思われると思いますが。
自分でも思いますが。
こんだけ文句つけといて、
最後は大泣きでした(・x・)
いい舞台でした、はい(・x・)
過去への旅
ライビュを観てから数か月後。
私はなんだかじわじわと、嵐とKnightsが気になるようになっていました。
その場じゃないのかよ!泣いたんだろ!?とか我ながら思いますが、数か月後です(笑)
いろいろ調べはじめて、ネットでもライビュをやってて、そのディレイ配信(ビデオが見られる、みたいなもの)もやってたことに気がついた時にはとっくに配信が終わってたくらいです。
いちおう、DVDの予約はわりと早い時期にしました。即じゃなかったけど。
何を聞いたかも覚えてないけど、たぶんこの中に、それも上演時期からいって最初の2枚の中にあるだろうと思って発売されたばかりの3枚めも含めたヴォーカル曲6曲も買いました。
うちCDプレイヤーないしそもそもPCに光学ドライブないので曲はCDじゃなく、データでiTunesストアで買いましたが(・x・)
余談ですがストアだと曲単位でバラで買えるのはありがたいですね。CDに余分についてくるカラオケインストゥルメンタルトラックとかしぬほどいらないし、それを買わないとデータなら半額で買えちゃうので、ついでに覚えてなかったけど曲を聴いたらどれかわかった、舞台の最後で全員で歌ってた舞台シリーズのテーマ曲みたいな曲のデータも購入。
そして、とっても迷ったのが、過去作のDVDです。
Youtubeにいろいろ関連動画があるのを見つけて見てたら、過去公演のDVDのCMがあって。
1作めのあんステにも嵐が出てたことを再発見。
うん、最初にそもそもその公演の化粧台ツイートとか見てたんですけど、そこあんまり私の中ではリンクしてませんでした。
CM動画を見たら、どうやら嵐がナビゲーター役らしい?
ちょっと気になったものの、同じ動画に入ってた、メインユニットのTrickstar(役者のほう)が歌ってるらしいゲームじたいのメインテーマ曲が、まあひどいことひどいこと(;・∀・)
これを全編見通す勇気が果たして自分にあるのかどうか。
そして、Knightsはこの時の公演には嵐と、もうひとり泉というキャラの2人しか出てないので、ヴォーカルもあるのかどうかわからない。
さらに追加で、アニメイト専売(・x・)つまり、いつものように楽天ポイントがついたりポイントが使えたりしないし、アマゾンのように即日配送もしてくれない。その上1万円近い商品だというのに追加で3000円ぶん書籍を買わないと送料無料にならないというわけのわからないシステム。
いろいろな意味でちょっと足踏みをして、一度カートに入れて決済直前までもっていったものを閉じて。
そこからさらに数週間放置して、ある日、「買うか」となぜか思って買いにいきました。
そしたら今度は欠品中(・x・;
えっこれアニメイト専売っしょ専売なのにメーカー取り寄せ?これってつまり取り寄せと書いてありながら何か月も放置されたあげくキャンセル食らうパターンのやつ?(;・∀・)
そのころは完全に金もなくなってましたし、Knightsが主役じゃないことも間違いないし、買えなかったらそのぶんお金が手元に残るってことだしどっちでもいいや、と思ってほっといたら、1か月以上してから入荷して発送されて手元に届きました。
パッケージをあける勇気を出すまで3日かかりました。
たしか何か封入されてるとか書いてあったような気もしたんですが入ってなかったので初回版じゃなくなったってことなんでしょう。別にとくにほしかったわけじゃないので問題なし。
実際に見たのはさらに2日後ぐらい。
初見。
死ぬほど笑いました。
主に歌唱シーンに。
「見よ、これがおぬしらの越えねばならぬ壁の高さじゃ」
「な……なんてハイレベルなんだ!」
死wwwぬwwwwwwwwおなかいたいwwwwwwwww
でもまあ、そこはほら、舞台上のことですから。
どんなご面相のプリマであったとしても、王子がくるんと顔を撫でる、「美しい」というマイムをしたら、その姫は美しいんです。
そして美人は3日で飽きるが云々のことわざ(?)のように。
何度か再生するうちに音程がちょっとぐらいおかしかろうがそういうものだと慣れてきます。
言ってしまうと子供のおゆうぎ会を目を細めて見守る、親もしくはじじばばの心理もかなり働いているとは思うんですが。
でもね、私、自ジャンルの映画のDVDって自主的に再生したこと一度もないんですよ。
TLで同時再生会やりましょうみたいな時にお祭りに参加したくて再生したり、テレビ放映されることがあって、それを知ってたらその時はチャンネル回すぐらいのことはしますけども。
それはもちろんまあ、入場者特典を全種類集めなくちゃいけないというわけのわからない使命感のためにもう初回2回めから中盤爆睡するような映画を10回20回と映画館に通って見(?)たからっていうのもあるのかもしれませんが。
そんな私が、うひwwwやめてww音ww程wwwwwとか思いながら、おいそこ滑舌もっとがんばれ、と言いながら、それでも私はこの、推し(ということにしているキャラ)がほんのちょっとしか出てこないしアイドルユニットなのに歌を歌うシーンもない、舞台のDVDを複数回再生しました。
ひとに見られたらものっそい冷たい目で見られるだろうなと思いながらも、エンディング曲をキャストが板の上で歌って踊ってる時にはテレビに向かって自分も振り付け動画でいっしょうけんめい覚えた振りを踊ってました(苦笑)。
まあ、さすがに2作めは、嵐もKnightsも出てないようだったのでパスしましたが。
ありえない事態
そして、私がライビュで見た、Knights主役の舞台、Judge of KnightsのDVD(というかブルーレイ)が発売になりました。
なんかもうね、数日前に発送準備に入りましたみたいなメールからすげえわくわくしてました。ふだんそんなメールがきてたことさえ気がつかないことも多いのに。推しがいるからって予約した刀剣のグッズを指定のお店までお金持って引き取りにきてくださいってメールが来てたのを発見したのがメールきてから半年後だったりとかね(・x・)
当日はもう、朝からわくわくで待ってました。
届いて即開封して再生しました。
だだ泣き(つД`)
いっぺん見てるだろうおまえ!!!!!!
と誰より私が自分にツッコミ入れました。
ていうか何回泣くんだよ!!!!!!!!!!
ライビュで見た時に泣いた、クライマックスの決めゼリフのシーンもそうなんですが、それ以外でも何か所か、泣きポイントがあって、何回見てもほぼ泣きます。
何がすごいって、オープニングでKnightsが1曲歌う合間にキャラ紹介で今回登壇のキャストが順番に出てきて客席にアピールするんですけども、最後にKnightsのリーダー月永レオが出てきて、ユニット紹介絵と同じポーズと表情を作った瞬間にぼろぼろ涙が出てきます。へたすると再生してないのにそこを思い出しただけで泣きます。
思い出し泣きなんて、50年以上生きてて、15年連れ添ったねこが虹の橋を渡ったことに関してしか、したことありません。
ねこと別れてから数年は思い出しただけで泣いてたし今でもたまにふっと思い出して泣けてきたりしますけれど、そっちはまだ納得してもらえるでしょう。
でも。
2.5次元舞台の、しかもオープニングのキャラ紹介場面で、推しでもないキャラのアップを思い出して泣くとか、おまえ正気をどこへ置いてきた、というレベルです。
映画やドラマやアニメを見て泣くことはそりゃあたまにはありますけれど、何回見ても泣くとか、そういう方向にエモーショナルな人間じゃないんですよ、私。
近年で一番泣いたのは血界戦線1期の最終回(のギルベルトさんが迎えにきたシーン)ですが、それでも再生3回めぐらいにはもう泣かなくなってました。
ていうかね、ディスクが届いてからたった1週間程度の間に、
一周2時間40分ある映像作品を、
この私が、
10回近く再生したとか。
天変地異レベルで、通常ならありえません。
なんでこの私が、って言うかというと。
映像は見ちゃってほかの作業が進まなくなって時間もったいないから見ない、というか見てるうちにいらいらしてきてぶった切る、音あると気が散ってうざいから音楽とか基本聴かない、録画ためてるアニメやドラマはよっぽど好きで楽しみにしてるもの以外はゲームや手芸で手と目はふさがってるけど耳と思考はあいてたり、ごはんで手と机が埋まってて作業できない時に再生するもの。
というのがふだんの私なのです。
なのに、録画すんげえたまってんだけどなあ、見ないとどんどんたまっちゃってうっとおしいんだよなあ見なくちゃなあと思いながらもたった30分のアニメを見るのは時間もったいなくて、2時間40分の舞台DVD見て、泣いて、また頭から再生するんですよ。
おかしいよ(・x・)
なんぞこれ(・x・)
と思ってたんですが。
何度目かに再生してやっぱり泣いてた時。
ふと思ったんです。
あ、私、これ体験したことあるんだ。
はい!いきなりスピに転がりました!
うさんくさいですね!すいません!!!
でも、たぶんそうなんです。
あんスタはどこかの評によると「深い(キャラの闇が)」と言われたりしてるそうですが、そう言われても仕方ないかな、というくらい、たかだか高校生の子供たちがどいつもこいつもかなりひどい過去を背負ってます。
今回の主人公Knightsのメンバーも例外ではなく。
こっちは私がプレイをはじめてからやったイベントなので読んでたんですが、ゲームでの時間がはじまるより前の、ある事件で、Knightsのリーダー月永レオはKnightsを守ろうとしてぼろぼろに傷ついて、学校から姿を消してしまいます。
それから1年近くがたって(その間学校きてなくて進級とかどうなってんだろうとちょっと思ったりどうもこのへん時間の流れに矛盾がある気がしないでもないんですがそれはたぶん触れちゃいけないところだし、これから先じつはこうだった、とか明かされる可能性もあるのでそういう意味でもさわっちゃいけない場所)、1年生の朱桜司を加えた4人になっていたKnightsのもとに、その月永レオ、通称「王様」が戻ってきたところから物語が始まります。
司をかたくなに名前ではなく「新入り」としか呼ばないレオ。自分という個を認めてもらえていないことに苛立つ司。その上、レオは自分でライブを設定しておいて舞台をすっぽかす。そのことで集中の乱れてしまった司の未熟をKnightsの看板に泥を塗っていると言い放つ。
王様の自分勝手にさらに司は苛立ち、ほかのメンバーがそんなレオを苦笑まじりに受け入れているのがさらに理解できなくて、ストレスをためていく。
ついにキレてレオに食ってかかった司と、それを眺めていたメンバーに、レオは言います。
「デュエルをやろうと思う」
「内部粛清のためのデュエル――ジャッジメントを開催する」
長期不在だったとはいえ制度上まぎれもないリーダーであり、騎士団を標榜するKnightsの主君、「王様」であるレオと、それ以外のメンバーの対決。もし自分が勝ったらKnightsは解散させる、と宣言するレオ。
「俺は適当な4人ユニットを結成しておまえたちと対決する」
「即席の臨時ユニットにさえ勝てないような、そんなぶざまな集団にKnightsが成り果てているのなら、そんなKnightsはいらない」
「きれいさっぱり、終わりにしよう」
レオ自身はさらっと「これは俺達の痴話喧嘩だ」と言いますが、(過去に関する記述を統合すると)友達や仲間だと思ってた相手にはじつはすべて便利に利用されてただけ、よかれと思ってやったことは全部じつは自分を陥れる計略で、気がついたら周囲は全部敵、憎まれて嫌われてついにその負荷に耐えられなくなって精神崩壊を起こしてほぼ廃人同然の状態から長く不登校になって、学校へいこうと決意しても足が震えて家から出られなくなってしまうほど傷ついて、それでも必死に守ったKnightsを、それが自分の理想としていた姿から外れてしまっているのなら捨てて壊して抹殺する、とレオは決めたわけです。
本当は守りたいものでも、理想を守るために必要ならば、敢えて壊す。
そういう決断を、私は過去生のどこかでした、
あるいはされて粛清されたことがあるんです、たぶん。
だからその物語にこんなに気持ちが揺れる。
だから王様の姿を見るとこんなに胸が痛いんだろうと、思います。
その時の体験で昇華しきれずに今生まで抱えてきた当時の感情をこの人生で、この舞台の映像をとおして癒してる、ということなんじゃないのかなあ、と。たぶん、そのときには泣けなかったから。自分を許してあげられなかったから。
そういうことじゃなければ、ストーリーのクライマックスシーンだというならまだしも、ただキャラがアップになるだけでこんなに繰り返し泣かないと思うんですよね。
ふつうの感想
だから、このJudge of Knightsという作品が、そこまで毎度号泣するような超絶名作かというと、たぶんちがうと思います。
私にとって意味があって、私が動かされるだけで。
でも、よく練られてはいたと思います。
原作ゲームの1イベントがベースというのが、ほどよいボリュームなんでしょう。というか、おそらく、1本の舞台にするにはボリュームがやや不足。
ですが、その不足があるから、必要な要素をむりやり切り落としたり強引に詰め込んだりすることなく拾いきって、ほどよく余裕が残って、その余った尺の部分にオリジナル要素を追加して話をわかりやすくして、登場ユニットそれぞれのライブシーンも織り込んでメリハリをつけ、登場キャラどうしの横のつながりもイベントシナリオより厚めに盛り込んで、きれいにまとめてあると思います。
まあ、いろいろと、キャラの扱い方やせりふ回しなんかに雑なとこは散見されますし、個人的にはラストシーンの、司のかなり長いNは、正直蛇足というか、わざわざ追加しなくてもよかったんじゃないのかなと思いますが。
でもあの録音が流れてる間に5人はそこまでの対決時の衣装から通常のユニット衣装に着替えて、人によったら水ぶっかけられたんじゃってレベルでしたたってる汗を拭いて一時的にでも汗をとめて、きっと水分補給なんかもして場合によってはメイクも直して、最後の、ユニットとしてのライブ3曲の準備をしてるわけなので、その間をもたせるためにはああするしかなかったんだろうなと思います。
埋まったものと広がったもの
ところで、ライビュで気になってしかたなかったキャラのサイズ感やショタのごつさなんかですが。
テレビ画面で見たらぜんぜん気になりませんでした(・x・)まあ、腹(を見せるためのズボンのだらしない穿き方)はさすがにちょっと気になりますが。
やっぱり、端とはいえわりと前のほうの席だったので、映像がでかすぎて必要以上に見えなくてもいいような細かい部分が見えちゃったのかなと思います。
そして、サイズのおかしさが気にならなくなって、気がついたことがあります。
くだんのちびっこの役者さん、もんのすっっっっっっっっっっっっっっっごい美人。
たぶんバレエやってるんじゃないかしら。立ち姿もレヴェランスもものすごく品があってきれいです。
じつはこのちびっこ、学園トップのユニットに所属してて、「アイドルとしての才能は群を抜いている」と評されているんですが。
一枚絵としてライブシーンのカットはあるものの、それを見たところでこの子が「アイドルとして桁外れに突出した才能を持っている」かどうかはまったくわかりません。
もしかしたらそれは私がまだ見ていないイベントで語られてるのかもしれませんが。
すくなくとも、メインストーリーを見た限りではまったくそんな設定に説得力を感じませんでした。
そもそもこのゲーム、アイドル育成と銘打っていても、キャラはべつに歌ったり踊ったりしないし、パラメータで能力が見えたりしないんです。
歌ってるシーンは微笑んでる立ち絵が「~~♪~~♪」って言うだけです。
比喩じゃなく、ほんとにそういうセリフメッセージが出ます(笑)。
最初見た時「は???(°д°;;)」って思ったものです。
そんなわけで、「ライブ」の場面を見ても、とくになんとも思いません。
ですが舞台上で、ユニット衣装を着てほかのメンバーと、そのユニットがステージを演じているシーンで歌って踊ってる彼を見て、ああ、あれはそういうことだったのか、と納得しました。
キレのいい、だけど品のよさを失わない動き、見るものの視線を引きつける華。
合間に小首を傾げてにこっと笑う瞬間の愛らしさたるや。
なるほどこれなら、たしかに「皇帝」と呼ばれる、現リーダーである生徒会長の後継者と目されるはずだ、と思わせてくれます。
そして、ゲーム中ではそういうわけで具体的には一切語られない「ライブ」や、多少抽象的ではあるものの「対決」が目に見える形で提示されますから、ああ、ゲームで「~~♪~~♪」って言ってる時ってこういうことやってるのか、と、情報が足りないというか手抜きっぽく見えるけれど新規絵の場面以外は使える素材って立ち絵しかないしここのシナリオって地の文がなくてせりふのみなので、書いたことのある人間からするとあそこはああやって処理するしかないんだろうなというのもよくわかるし同情さえおぼえるライブシーンの補完になってくれます。
じっさいにライブシーンでは客席を埋める客になってるつもりでこっちも拍手したりペンライト振ったりしてるわけですが、そういう意味でも、この舞台は観客ごと世界を原作の中へ連れていってくれてるのかもしれません。
こういったことは刀ステを観たときにはまったく思わなかったことで、舞台で観たものが原典のほうにフィードバックされて補完になったり興味が広がるなんてこともあるんだなあ、そういう相互作用が、この種のものに対しての感性のかなり低い私にも起こるんであれば、そりゃあ純粋にゲームを楽しんだりキャラを愛せる人たちには、「この世界は本当にあったんだ!」「生きてる!!」という感動の大きさもすごいものなんだろうな、とあらためて思います。
つながるもの
ところで、2.5次元スキーな人のパターンは、作品を目当てに公演にいく→出演者のファンになる→原作を知らなくてもその役者の出演してる舞台にも行くようになる→さらに共演者でお気に入りになった役者ができて追いかける対象が増えて以下略でたいへんなことになる、んだそうです。
私はほんとに、嵐ともう一人刀ステに出てた役者さん以外誰ひとり、キャストの名前も実績も知らないままこの舞台を観たわけですが。
うわーーえっっっっっっっっろ(°д°;;三;;°д°)
なんじゃあの色気(°д°;;)
と目を剥いた登場人物がいました。
これが連鎖のはじまりか?とも思ったんですが、幸い(?)どうやら私が気に入ったのはその役者くんが演じてるそのキャラで、当人を追いかける気には、まだなってません。
とはいえ、それまでまったくノーマークでなんとも思ってなかったそのキャラは、お気に入りになりました。そのキャラが★5(入手難易度が高い)カードになってイベントに投入されたらがんばっちゃいそうです(笑)。
その後、このシリーズの新作でついに劇場にもいっちゃって、けっこう楽しめちゃったので、本会場いったらイタくていたたまれないんじゃないかという懸念も杞憂だったことがわかってしまいました。
なんとなく、微妙にどっかでカウントダウンがはじまってる気がします(苦笑)。
なんとなく出来心で、とらないつもりだったので事前では申し込まなかった楽のライビュを一般発売の翌日にふらっとのぞいたら残ってたのでとってしまいました。
いちおう、ここでメインストーリーがすべて終わって一段落するので、次のあんステがどうなるかはわかりませんが。
これが大丈夫になってきたんだし、と思うと、どちらも初回作以降年に数作ずつ上演されてる、より豪華なメンバーの刀ステ、一度友人の強いプッシュで円盤を貸されて(笑)見た刀ミュが、私の考えてたような歌劇っぽいものじゃなく「ふつうのせりふで劇が進行する合間にキャラがその時の心情に関連した歌をうたう」というもので、わりと大丈夫だったことがわかったこともあって、ミュも刀なら・・・?という気がじわじわとあがってきてて、レンタルショップで過去作DVDを借りてみようかな、とか、次のステがあることも発表になったし、今回はチケット狙ってみようかなあ、と思いはじめてたりします。
一時期ぼちぼち見てたバレエとクラシックに自然消滅でほぼいかなくなってだいぶになるので、また、たまに劇場にいく生活がはじまるのも、悪くはないかもしれません(笑)。