舞台「デルフィニア戦記」動乱の序章 感想

大好きな作品の舞台化に注目してる役者が出演ということでいってきました。

楽しかったです。が。

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これはどこを向いている舞台なのか

原作のデルフィニア戦記は25年?ほど前に刊行された小説です。

本編がノベルスで全18巻。非常に起伏に富んだ、かつ軽妙な筆致の快作です。

今でも外伝が出たりCDブックが出るぐらいには人気が続いてるみたいです。

それが舞台化(といっても2作めらしい?)、かつ、あんステで蓮巳敬人を超絶すごい色気で演じた小松準弥くんがヴァンツァー役ということを知ったので、プレは驚いたことに落ちてしまったんですが一般発売でなんとかチケがとれたので観てきました。

全2幕。

上演時間各1時間、計2時間の作品。

つまらなかった、とは言いません。

が。

これははたして誰を観客に想定して作られている作品なのか。

上演中、ずっとそれを考えてました。

上演内容は原作5巻から7巻。

サブタイトルの「動乱の序章」は9巻の題名ですがそこまではいけなかったのね(笑)。

ものすっっっっっっっっっっっごくかっとばして、要所要所を数ページずつつまんできて並べた感じの内容でした。

それなりにがんばって、うまくつぎはぎしてあったとは思いますが。

 

デルフィニア戦記という作品を知らない層を観客に想定してるのであれば、設定の説明を省きすぎ。

はじめからデルフィニア戦記をよく知ってる読者のために作られてものであるなら、原作を歪めすぎ。

 

舞台化は2作めのようなので、じゃあ前作を観てることを前提にしてるのかもしれませんが、それにしてはリィ以外キャストがほぼ全とっかえで、前作を楽しんだ人につづきを観てもらおうと思ってるようにはとても思えません(・x・)

なんともどっちを向いてもどっちつかずでどっちにも不親切な仕上がり、というのが正直な印象。

そこをはしょっちゃいかん

そもそもデルフィニア戦記は異世界からまぎれこんできた、美少女だけどもとの世界では男だったリィが、こっちの世界でデルフィニアという国の王でありながら家臣の反乱によって国を追われていたウォルに行き合って、彼が玉座を取り戻すのに手を貸したのち、その後のデルフィニアを中心とした周辺国家のさまざまな動乱にも巻き込まれていく、というお話。最後にはもとの世界へ帰っていきます。(帰ったあとも別シリーズとして作品は続いてますがそれは別の話なのでおいとくとして)

つまり、

まず根本的な設定として、

リィは、別世界からきていてこの世界には仮住まいのマレビト

本人の自意識(と生まれたときの性別)は男

が、デルフィニアにきた時なぜか体が女になってしまった

外から見るぶんには申し分のない美少女だが、中身が少年なので言動は少年

凄腕の剣士(戦士)であり、一般的な人間と比べてけた外れの体力・腕力・脚力をもっている

最低限このへんはおさえておく必要があります。

さらに、

リィは別の世界からやってきて、たまたまなりゆきで知り合ったウォルの王座奪還に、あくまでも好意で手を貸した。果たした功績は多大なんてものじゃない。彼(女)がいたからこそウォル軍は勝てた、に近いものがある

そのことへの感謝の意を表す手段として+リィにこの世界での居場所を与えるために、ウォルはいやがるリィを説き伏せて、名目上、自分の養女という形にして王女の称号を与えた

という経緯があって、その3年後に国内でまたいろいろと問題が起こりはじめる、というのが今回の話になるわけです。

これを知らないと、リィが「姫様」と呼ばれていながら一人称は「おれ」、口調も子役の男の子が役を演じてるみたいなとってつけたような男言葉で、服装もとてもお姫様とは思えない軽装なのがイミフというか、それこそ敵国タンガやパラストが当初思ってるような、「ちょっと剣が使えることで思い上がった、ただの男勝りのはねっかえりの小娘」にしか見えなくなっちゃうんですよね(・x・)

まあ、そりゃ私ら既読者はそのことを知ってますけれども。

そりゃもちろんそれを微に入り細に入りせりふで説明しろとは言いませんが、端々に散りばめてある程度想像できるようにはしてもよかったんじゃないかと思うんですよね。

そこ変えちゃあかんだろう!

じゃあ、観客は全員、はじめっからもう原作はすべて承知のうえだという、それはそれで甘えてんじゃないよとは思いますが、いちおうはまあ、そういう前提の上で、原作のおいしいとこだけちょこちょこっと紙芝居的にダイジェストで見せようというものなのかと思うと。

そこ出さなかったら根本的に話がちがってきちゃうだろう、というシーンというか設定が削られていたのが納得がいきません。

リィは、いちおうは基本は人間なんですが、牙を持ってます。

レトリックではなく。

人を噛み殺すことができます。

べつに彼(女)に食人の嗜好があるわけではなく、人間を獲物として狩るわけでもなく。

リィにとってはそれは武器の一つで、物理的な武器がないけれど生命が危機にさらされている時に非常手段として使うものです。

でも、その牙があることで彼(女)が人間社会から距離を置かれてしまうことはいかんともしがたい事実です。

原作では、結婚式の前夜に、ウォルはそれを知らされます。

というか、結婚する相手に隠しておいてあとで知られて化物呼ばわりされるのは切ないから伝えようと思ってウォルのところへいったものの、やっぱり友達の態度が豹変する可能性を考えると言い出せなくていたところを、素性の知れない娘を王妃にしようという国王への反感から王女を暗殺しようと企てた集団に襲われて、ウォルを助けるために剣を手放してしまって結局リィはウォルに牙を見せることになってしまいます。

それまでにもリィはウォルに人間離れしたところをいろいろと(なりゆきで)見せてきて、それでも態度を変えずにリィをそのまま受け入れてきたからこそウォルはリィの信頼を勝ち得ていたわけですが、さすがに獣のように四つん這いになって人間の喉を食い破る姿を目の当たりにして平静ではいられません。

どうする、これでもおれを妻にするのか、(国としての体裁上)結婚式はやらなくちゃいけないだろうがそのあとで自殺したとか適当な形で姿を消そうか、と言うリィにウォルは時間をくれと返して、翌日の結婚式の真っ最中に敵国に宣戦布告されたことが明らかになってそのまま二人は戦場へ飛び出していくいことになるんですが。

その、ランバー砦の攻防戦の第1段階が落ち着いたところで、ウォルはリィに向かって「結婚式の続きをやろう」と言います。つまり、あのまま式が進んでいたらすることになっていた、リィへの口づけをすることで、人を噛み殺すおまえであってもおれは受け入れると覚悟を示したわけです。

ここすごい感動のシーンなわけですよ!!!!!

ウォルがリィに接吻するのには、それだけ重くて真摯な決意があるわけです。

なのに、舞台ではなんと、その結婚式前夜のシーンを完全に抜かしました(・x・)

結婚式の途中で急報が入って二人が戦いに出る流れはそのままで、一段落したところで「結婚式の続きをしよう」もあるんです(・x・)

ウォルはリィにキスをしましたとも。

それも、なんだかばばーん!って大仰にかっこつけて。

それ、ただのラブロマンスやんか(・x・)

がちがちに緊張して、でもここは男を見せるべきところだ、って決死の決意でリィの唇をついばんで、そのあとで思わず大きく息をついちゃうあの緊迫感はどこ!?!?

ウォルとリィの間には、友情や戦士としての魂で結びついた絆こそあれ、男女としてのなんらかの性的な匂いをさせるものは何一つないんだよ!!!!!

なのになんで、「戦士としての魂にかけて」とか誓い合ったあげくただのキスなのか。

ウォルをかっこよく見せて見栄切るばばーんなシーンにしかなってねえ!

リィもリィで、なに恋人にキスされる小娘みたいにおとなしくキスされてるんだよ!!

筋とおってねえだろヽ(`Д´)ノ

 

まあ、だからやっぱりこれは、デルフィニア戦記という作品を知らない層に向けて作ってるんですかねえ。

原作の内容なんかどうでもよくて、ただのはねっかえりの乱暴者なだけの小娘が大国の王様に目をかけられて信頼関係を結んだ末に恋愛関係になりそうな気配を漂わせて終わる、そういう話ならべつにリィの背景も牙の設定も出さなくていいですもんね(・x・)

メディア化したことで原作とはまったく内容のちがう別ものを作られてしまうことは別にこれに限らずわりとよくあることでもありますが。

なんとなく、メインビジュアルのうち2人がジャニーズ所属というところになにかこう、原作無視の原因もそのへんにもあったりして?というもやっとしたものを感じてしまうのは偏見ですかね(・x・)

楽しいところもあったよ

全面的につまらなかったと言うつもりはありません。

えっ本宮って「ほんみや」なの!?!?!?!? ずっと「ほんぐう」だと思ってたよ!!! とかねw 20年を経て知った真実とかありましたし!w

まあ、ウォルにはもうちょっと大人物らしい風格がほしかったしバルロももうちょっと大貴族らしい品格と色男らしさがあったらよかったのになあと思いますし、シェラがちゃんと少女のふりしてたのなんかほんとにほんのちょっとで、男の姿をしてるより自分でも女の形でいるほうが落ち着くようなキャラにはとても見えなかったのもちょっと残念でしたし、ウォルとバルロの大喧嘩のシーンなんかはもっともっと裂帛の気合がほしかったところですが、まあ、そこは原作読者のわがままというところでしょう。

原作の軽妙な空気をうまく再現してたところなんかも随所にありましたし、私は原作を知ってますし正直読み返してる回数が半端ないのでほぼ合間合間に入る原作の地の文が頭に浮かびます。そこで自分で補完してましたからそれなりには楽しかったです。

というか、地の文をあそこまでほぼまったく補完してなくて、基本的には原作にあるせりふの抜粋だけでシナリオを組むっていうのもなかなかたいへんだよなあ、と思いました。アエラ姫まわりあたりはちょっとあやふやですが、ほぼ、原作に存在しないせりふはなかったように思います。せいぜい「(求婚者が)あと10組ほど」ぐらいかな。

そのせいで微妙にテンポの悪くなってたシーンとかもあったような。文字と声だと間合いがちがいますからね。

もとが小説なので、せりふ以外の部分に入ってる情報は多いです。

そのぶん、もちろんせりふだけ抜粋するとぼとぼと情報が抜け落ちます。

なので、もうちょっとそういう部分をモノローグとか簡単な会話で説明入れればわかりやすくなっただろうになあ。

逆に、会話のせりふを途中から使ってるのに省いた部分につながるところを切り落としきれてなくて流れが不自然だったところも何か所か(・x・)ブラシアでバルロがファロットのことを話す時に「構えて他言無用だ」とリィとナシアスに言うせりふがなかったのに、そのあとリィが「それこそこれも絶対他言無用で頼む」と言うのはそのまま使ってたりね。

そんなこまかいとこまで文句つけられてもきっと困るでしょうけどね・・・w

本命はといえば

それから、そもそも観にいった本命。

小松くんのヴァンツァーですが。

一般でぎりぎりとれたかんじの後ろの端っこのほうの席の上にオペラグラス持っていかなかったんで、顔はほぼ見えなかったに等しいです。

でも、遠目で見た限りですが、なるほど娟麗という原作の描写に似つかわしいキャラに見えました。(たぶん贔屓目もだいぶ入ってるとは思いますが(笑))

キャラとしてそもそもあまり朗々と話すほうではないわりに滑舌は悪くなくてきちんとせりふは聞き取れましたし(私は基本的に人の声でできてる言葉を聞き取る能力が低いので、役者が滑舌悪いと言葉が言葉に聞こえなくなってすごく困るので滑舌のよしあしは評価の高低に直結します)、なんといっても。

体型がね。

とてもとてもきれいでした。

いわゆる逆三角形なんですがごつくなくてだいぶ縦長の、細い逆三角形。もしかしたらすこーしだけ、ごつくならない程度に衣装とかで肩幅盛ってたんじゃないのかなと思うんですが。

それなりに絞ったりとかしてたのかなあ。もともと、もちろん太くはないけどそんなにほっそりした体型ではない認識だったんですが。

肩に対して腰がぎゅーーーっと細くて、そこから脚がまたすっっっ!!!!と細くて長くてですね!!!!!!(>ω<)

一人だけ沖さんの絵みたいでしたよ(>ω<)

この肩ですよこの肩!!!!!

そのへんは、彼が2.5をやってきてるからもあるんですかねすごく雰囲気出てた。

(たぶん)

 

あとね。

手。

手!!!!!!

手が。

うつくしい。

やっぱりあの子、手がちょうエロいわ(>ω<)

やや、手が大きめなのもあるんだと思うんですけれど。

動きがすごいきれいなんですよ!!

カテコの時、一人ずつ出てきては次の登場人物をこう、手でうやうやしく示すんですけども。

その時の手がね。気品があってすごい美しくて、エロかった(真剣)。

宮廷に貴族の子弟としてまぎれこんで誰も疑わないのが納得いく気品。

あの手の振り1つだけでも観に行った甲斐はありました(>ω<)

(これでも別にまだ役者沼のつもりはありません)

※追記※

ご本人のツイッタに画像あったのではっときます。

 

そしてついでにちょっと調べたりしてたらアマゾンビデオで前作の配信してるのを発見しました。

レンタルなら1000円か・・・観てみようかな(・x・)

今回のも映像になったらたぶんアップで演技見れるしまた印象も違うだろうからもう一度観てみたいところです。