【レビュー】容器ひとつで!冷蔵庫で作りおきパン 切りっぱなしでカンタン

吉永麻衣子さんの新刊です。

今回は1冊前の「冷蔵庫で作り置きパン」の中に登場していた「切りっぱなしパン」にフォーカスを当てています。

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「切りっぱなしパン」の本

「どてかパン」「スティックパン」「冷蔵庫で作りおきパン」と続いてきた吉永麻衣子さんの本ですが、新しい本が予約でアマゾンに登録されててそれが「切りっぱなしパン」だと知った時、「ほー?」と思いました。

切りっぱなしパンは前著「冷蔵庫で作り置きパン」で、作ったパン生地を一週間で使い切るモデルケースの中の水曜日だか木曜日だかにさらっと書かれていたパンです。

その名のとおり、たんに生地を取り出してほしいサイズに切って焼くだけ。

シンプルですが、食べるぶんには別にどうしても絶対にきれいに丸くしないと死ぬわけじゃないですしね(・x・)今日は中に何か入れようとかシュガーバタートップで甘くして食べようとかとくに思わない日はよくそうやって切っただけのものを焼いて食べてます。

そういう読者が多かったんですかね(笑)

しかし、言ってしまうとこれは「成形方法の1つ」です。

それだけで本1冊にするにはちょっとコンテンツが足りないんじゃないかね(・x・)

吉永さんは本を出すたびに新しい視点を出してくる人ですが、かつて1冊にしたスティックパンをそれこそ冷蔵庫で作り置きの本の1日ぶんでさらっと紹介したりもしたので、逆に切りっぱなしパンを1冊にふくらませることもできるのかもしれませんが。

スティックパンの時はまだ低温長時間発酵パンの本じたいが1冊めでしたが、吉永さんはすでに冷蔵庫で作り置き生地の本を出してます。ここから吉永メソッドのパンに触れる人はともかく、私のようにひととおりあるいは前著だけでも読んでると食い足りないものになるんじゃないのかなあ、という気がしてなりません。

しかし。

本のタイトルをよーく見ると、「容器ひとつで!」と冠詞がついてます。

ああ、やっぱりな、と思いました。

今まで吉永さんの本はボウルに粉を用意して、別の容器で水分とイーストを混ぜ、それを合体させてこねたのち、別の容器にうつして冷蔵庫で低温長時間発酵させるというものでした。

それを、今度は容器1つですむように改良したのか!(・∀・)

これは楽しみだ(>ω<)

と思いつつ、やっぱりすでにこのかたの本は何冊も持ってますし、最近著書コレクターはやめて本当に買っていいと思う本だけ買うことにしてますし、やっぱり人気あるのか図書館に入ったので借りて読みました(・x・)

先に結論を書いてしまいますと、

やっぱりちょっと無理があったね(;・∀・)

に落ち着きました(;・∀・)

どのへんに無理があるかというと

というわけで、ざっくり本の内容を紹介していきたいと思います。

表紙

表紙には題名のほかに「生地をたっぷり保存」「カットして焼くだけ!」と説明文?が載ってます。

で、そこから矢印があちこちにのびてて。

「細く切ってスティックパン」

うんまあ、これはいいとして。

「三角に切ってコーンパン」

「三角に切ってかぼちゃパン」

「四角く切ってほうれんそうパン」

「大きく切ってじゃがフォカッチャ」

(・x・)

揚げ足とりたいわけじゃないんですけど、それもう生地作る時点でコーンやらかぼちゃやら入れてないと何角形に切ってもそのパンにならないんじゃないの(・x・;

と、表紙から何やらちょっと不安を感じさせるスタート。

家にある道具で・・・ってちょっとまて(;・∀・)

まず頭のほうに、これはどの時短パンの本も同じですが、基本になるレシピが載ってます。

そこに、使う道具も載ってるんですけどね。

「家にある道具で!」

って冠ついてて、

麺棒

うん。

カード

うんうん。

ボウル

ん??

と思ったけど、となりのインパクトに一瞬ですべて吹っ飛びました。

保存容器

の画像に線がひっぱってあって、

背景にやや溶け込なじむ黒い文字でそっと

18✕26✕高さ5.5cm 容量2.6l

ちょwwwwwwwwwwwww

まwwっwwwてwwwwwwwwwwwwwww

素で噴きましたわ。マジでこのセリフ言いましたよ。

だって。

2.6リットル入る

長方形の

平たい保存容器

ってふつうに家庭にあるものです???(・・???

ちなみにですが、ジプロックの四角いコンテナの一番でっかいやつが容量1100ml、すなわち1.1リットルです。


ジップロック コンテナー 保存容器 正方形(縦15.6cm×横15.6cm×高さ8.3cm)

このくらいのサイズがふつうにご家庭に用意されてる保存容器の最大サイズぐらいじゃないかとわたくし思うんですけどもどうですかね(・x・)

もうワンサイズ上で長方形の


ジップロック コンテナー 保存容器 長方形 (縦15.6cm×横23.5cm×高さ8.3cm)

こういうのもありますけど、これでさえ1900mlです。

これなんかショップによっては「業務用」って書いてます。

いや、わかるんですよ? 吉永さんのやりたいことは。

この本をもっと読み進めるまでもなく、となりのページに写真がのってます。

保存容器で発酵させて

そのままその容器のフタをまな板がわりにつかって

ほーらまな板もいらない!!!!!!!!!

すごいでしょ!!!!!

こんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっなにカンタンに!!

手間なくパンが焼けちゃいましたぁ!!!!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

って言いたいんですよねうんわかります。

前の本の時もありましたね。

1回ぶんのパン生地が夫婦ふたりの一週間ぶんの朝ごはんのパンに使えます!

って言いたいがために、450gできあがる予定のパン生地を1日あたり90gに割り当てて一人分のパンを1日1こ45gにしたことが。

なんで毎日そんなにいじましく5g単位でちまちまパン生地はからなあかんねん(・x・)
ついでにその生地の1/10がつまりオトナの1食ぶんのパンってことですが、ぶっちゃけ量少なすぎでしたが。

今回の、この本に添ってパンを作るためには、

容量2.6リットルの巨大な保存容器を用意しないといけないそうですよ。

パンの本なんか、正直なところ、ウリにできるものなんかそうそうありません。

そんな中でその本独自の特徴を出すのは、まあ、なかなか難しいんだとは思います。

が。

あのさ。

いくら作者の都合っていっても限度があるんじゃないですかね(・x・)

まあ、とりあえずやりたいことはわかったってことで、次へいきました。

そこでまた私は目ん玉が飛び出たんです(・x・)

レシピ・・・ねえ、ちょっとまって????(;・∀・)

さて、驚きを乗り越えたところでレシピの確認・・・あれ?

基本レシピ紹介のページのはずなのに分量が載ってない(・x・)

どうやらここの見開きは、「こんなにカンタンにパンが作れますよ!!!ヽ(>∀<)ノ」というふわっとした説明だけをするページだったようで、細かい作り方はその皿に先のページにありました。

当然ながら、最初に出てくるのは材料一覧です。

そしてここでまた、私は

( Д )           ゚ ゚

となりました。

強力粉:400g

よん、ひゃくぐらむ・・・?

それって、2回焼いたらそこらでわりとふつうに売ってる強力粉がほぼひと袋なくなるね?

たいへんにちなみに、前回の、量的にはたしかに無理がありましたが1回に作るパン生地としてはとても常識的な量だったレシピに使われていた粉は、

250g

です。

さらにちなみに、スティックパンのレシピ1回ぶんの強力粉はたしか150gぐらいでした。

うんまあ、わかりますよ?

容器を大きくしたら通常量のレシピじゃその容器を使う意味のある量にならなかったんですよね。

うん、わかりますよ? 2.6リットルも入るような容器ですもんね。

だからさ。

なんでその容器使わないといけないわけ?(・x・)

ついでにいうと、この本には、「生地は日持ちするので何種類も作っておくことも可能です!」みたいなことも書いてあります。

じっさいに、かぼちゃとかほうれん草とか?何やらいろいろ混ぜてあるらしい、色とりどりの生地を発酵させてある容器が積み重ねられて冷蔵庫に入ってる写真なんてのも載ってます。

ねえ。

それだけの量の生地作るのに、何キロ強力粉必要なんですか(・x・)

ていうか、

250gの粉で作ったパン生地が

成人二人の5日分の朝ごはんにちょうどいい量

なんですよね?あなたの計算では。

400gの粉で作って、

冷蔵庫で5日保存可能(卵を入れた場合は3日)

なんですよね?今回の本の記述によると。

で。

その写真の、冷蔵庫に5段重ねになってるパン生地は

一体何日がかりで何人で食べるんですか(・x・;

原材料のうち、粉の部分だけでも2キロですよねえ(・x・;

ちなみに、この粉400gの1回ぶんのレシピで作れるのは、これもまた背景に溶け込みそうなところにほっそーーーーーい書体でそっと見えにくいように控えめに書いてありますが、40gのパンが17こだそうです。

つまり、レシピ1回ぶんで680gのパンになるわけですね。

今ちょっと調べてみましたところ、食パン1斤の基本的な重量は

340g

だそうです。

食パン2斤ぶんかー(・∀・)最初っからそういえばわかりやすかったのに!(・∀・)

2斤ぶんのパン生地を5セット作って

「3日から5日も日持ちするんです!!!(>ω<)たくさん作っても大丈夫!!!!」

⊂⌒っ `ω、)っ

首かしげすぎて寝ちゃいますよ。

作り方は、うん、まあ、いつもどおり

とりあえず、レシピに目をつぶるとして、作り方です。

いつものとおりっちゃいつものとおりです。

粉(と塩と砂糖)をはかって2.6リットルの巨大容器に入れます。

水分とイーストをボウルに入れます

おいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

うwwそwwwつwwwwきwwwwwwww

「容器ひとつで!」じゃねえじゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

いやあーーパンの本でこんなに笑うところあったのはじめてだわーーー。

その後の作り方は尋常です

サイズ以外はね(・x・)

大きな容器の中で水分と粉を混ぜて、こねて、冷蔵庫に入れて発酵。

ふつうに吉永さんのパン生地の作り方です。

焼く時はフタをとってひっくり返して(フタについてる水分は拭いて)、そこに打ち粉をして生地を取り出して切り分けたり丸めたりして、残った生地は丸め直してまた容器に戻してフタして冷蔵庫へリターン。

うん、これはなかなかよいとは思います。

2.6リットル入りの容器なんか持ってないし、べつにふつうにふだん使ってるまな板に打ち粉するだけでぜんぜん足りるけどね(・x・)

あ、ちなみにこの巨大容器はいちおうダイソーで売ってるようです。

基本レシピ以外の部分

さて、基本のレシピのあとはアレンジレシピがいろいろと並びます。

パンの本の場合、アレンジレシピは大きく分けて2種類。

粉を全粒粉に変えたり野菜やジュースやナッツを入れたりする、生地のバリエーションと、

生地に何かを包んだり巻いたり違う形に切ったりのばしたり丸めたりする、成形のバリエーション

です。

しかし今回は「切りっぱなし」パンがテーマです。

だから、厳密に言うと後者はあり得ないんですよね。

かぼちゃ入れたりじゃがいも入れたりトマトジュース入れたりカレー粉入れたり、切ったパン生地にチョコのせたりバナナ乗せたり、がんばってバリエを考えてます。

でも、さすがにちょっと限界があったようで、のばして何かを巻き込むとか細く切って巻くとか巻いた生地に何か乗せて焼くとか、そういうレシピもけっこう載ってます。

ただまあ、そこまで杓子定規になってもしょうがないですし、毎度単調にならないように配慮してあるバラエティ豊かに見える構成はふつうに時短パンのアレンジレシピ集として楽しめるので、そこでこだわって内容のうっすい本になっちゃうよりはぜんぜんいいんじゃないかと思います。

しかし、

「切りっぱなしパンをさらに2つに切ってバターとジャムを塗る」というのが出てきた時には、えっそれレシピとして載せちゃうんだって意味で感動しました。

結論:手をかけないレシピ本としてはまあまあ

というわけで、最終的な結論。

正直、テーマの設定を失敗してると思います。

そしてテーマにむりくりいろいろ合わせてるのであちこちに無理がありすぎます。

このレシピでパンを焼いても消費できるご家庭には手軽に作れる大容量パン生地レシピとしてよいんじゃないかと思います。まあ、といっても前の「冷蔵庫で」のレシピを倍量つくればいいだけの話ですけども(・x・)

逆に私のようにシングルで趣味でちょっとパンを焼きたい、程度の人にはこの本のレシピは一歩間違うと使い切れない、あるいは使い切るためにひたすらパンを食べ続ける苦行になる可能性があるので要注意。

一方で、「切りっぱなしパン」をテーマにしてるだけあって、アレンジも「生地を切って何かを乗せて焼く」「焼いたものに切れ目を入れて何かはさむ」「大きめに切り取った生地にカードで切れ目を入れて焼いてちぎりパン」等、比較的手のかからないレシピが多めに掲載されていて、いちおうそこはなるべくテーマに即した本にしようと努力したことが伝わってきます。

なので、すでにほかの吉永さんの本を持っていて、バリエーションが不要なら不要。

バリエーションや発展レシピを見たいのであれば買って損はしないかと思います。

さすがに作ってませんけど比率で計算すると塩がちょっと少なめになってますが前のレシピとそんなに変わらないっぽいので、ハズレはないでしょう。

データ


冷蔵庫で作りおきパン 切りっぱなしでカンタン

単行本(ソフトカバー): 96ページ
出版社: 主婦の友社 (2017/9/15)
言語: 日本語
ISBN-10: 4074257688
ISBN-13: 978-4074257683
発売日: 2017/9/15

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