======= もくじ =======
久しぶりに藤田さんのリーンなフランスパンふうパンが食べたくなりました。
ちょっと調べてみたら、以前に参考にしてパンを作った本のほかにも初心者向けパンの本が出てたので、せっかくなのでこちらの本でパンを作ってみることにしました(・∀・)
2冊めのこねないパンの本
以前レビューした、藤田さんのこねないパンの本
奥付を見るとこちらの、河出書房の本は2012年発行。
今回入手した、主婦の友社の本は2015年発行。
あと数冊、こねないパンの本があるんですが、今回のこの本が2冊めになるようです。
本の内容は
では、本の中身を見ていきます。
タイトルと表紙とコンセプト
中身といいつつ、まずは外側のことを書いておきたいと思います。
前の本が「こねずにできる本格パン」に対して、この本は「はじめてのこねないパン」。
じつをいうと載ってる情報はほとんど同じです。
次の項目で紹介する時間割も、折り込みにはなってませんが、ちゃんと前の本にも載ってます。
でも、視点が違うんですね。
前著はふだんからよくパンを自分で作っていて、より簡単な作り方を求めている人に向けた本、この本はパンを作ってみたいけど手間がかかるんじゃないの?力も時間も必要で大変なんじゃないのかな、というビギナー向け。
基本のレシピも、前著がバゲットだったのに対してこちらはカンパーニュ風大きな丸パン。
こちらのほうが、初見では断然簡単そうに見えます。
実際は、丸パンもバゲットも、成形のしかたがちょっぴりちがうだけで、そんなに変わりません(笑)。バゲット系ほぼ作ったことなかった私も前の本でさくっと成形できましたから。
でも、
簡単だという印象はとても大事。
表紙を比べても、美しく焼きあがったパンを並べた前の本
に比べて、
こちらは表紙に小さくですがパンを焼くお母さん的なイラストが入っていたり、
- 力がいらない
- 少ない道具で
- 工程が少ない
- 生地の分割不要
と、いかに簡単で初心者にも簡単につくれるかというポイントが文字で載っていたり、初心者の心理的ハードルを下げようという配慮が見られます。
さらにこまかいことを言うと、表紙に使っているフォントが、前著が明朝系に対して、こちらは丸ゴシ系。丸ゴシはとても印象が柔らかくなるので、それだけでも本の印象がぐっとくだけます。
この本は主婦の友社の「実用No1シリーズ」の1冊らしいので、そもそもシリーズじたいがそういうコンセプトなのかもしれませんが。
折り込み時間割/工程表
開いてみると、まず最初に折り込みポスターがあります。
オモテはふつうに作る時、ちょっと時短で作る時、逆にすぐ仕上げまではできないから途中まで作ってあとは冷蔵庫で長時間発酵させる時など、作り方ごとのタイムテーブル、ウラは基本の作り方の全行程がすべて写真つきで見渡せる簡易一覧表。
これ、とてもよいです(・∀・)
写真つき作り方全行程はもちろん本文でも詳しく解説されてますし、この時間割も本文内にも載ってますが、一番最初にじっくり本を読んで、本と首っぴきで1工程ずつ確認しながら作っていく時はともかく、すくなくとも1回は作ってしまったあとに毎回本を開いて重しを置いて閉じないようにして作るのはちょっと面倒です。
作り方時間割やタイムテーブルはなおさら、毎度ページをめくってさがして確認って、もうそれだけで作るの面倒になってきます(苦笑)
なので、ひととおり本の内容を把握したあとで参照用に表紙をぺらっとめくればまずタイムテーブルが、折り込みを裏返せばざっくり工程が確認できるのは、非常に読者の立場に立って考えられてあってうれしい心遣いです(・∀・)
ここだけ切って冷蔵庫とかに貼っておけますしね(・∀・)
本文。基本レシピ~アレンジレシピまで
そして本文に入ると、最初はいかにこの本で作るパンが簡単かという説明やタイムテーブル、
そのあとにお約束の基本のパンの作り方が全工程写真つきで解説。
そのあとがアレンジレシピという、王道の流れ。
レシピは
- 基本の丸パン
- 平たくおさえる、焼く前にちぎりやすく分割線を入れておくなどの簡易アレンジ
- バゲットなど、丸からちょっと離れた成形アレンジ
- 分割して丸める
- 型に入れて焼く成形(食パン・マフィン)
- 発酵しないパン(ソーダブレッド)やスコーン等ビスケット
- パンに合う料理
と、途中までは発展なんですが最後はちょっと別のものが入ってきます。
まあ、間のところにもパンに合うスプレッドとか載ってるんですが。
これも、前の本にも載ってました。
まあ、スコーンビスケットはともかく、パンに合う煮込み料理とか、正直私はパンの本にそれ必要??それなら折減らして(ページ数減らして)本の値段下げて作ればいいんじゃね?って思うんですが。
トータルコーディネイト的な意味でこういう提案があると助かる、という人もいるのかもしれないのでここは評価の別れるところかと思います。
前の本との違い
ざくっと駆け抜けてしまいましたが、
最初のところにちらっと書いたように、
前の本と内容はほぼ同じです。
ぶっちゃけ、新味は皆無でした。
レシピも、とくに変わったところはないような。
めっちゃ見比べた結果、こちらの2冊めのほうが水が5g少ない(・x・)
前の本が110gに対して今回105gで、どうやらこの本までの数年の間にレシピをブラッシュアップされたようですが。
初心者向けなんだから110のまんまでよかったんじゃねーの(・x・)
と思わないでもありません(・x・)
いやまあ、105も110も「特定の数字をはかる」って意味ではじつは同じですが。
見た目的な気持ちとしてw
それに、藤田さんのパンは結局最後に「大量に強力粉を敷いたバットに発酵の終わったふわふわでべたべたの生地を取り出して粉を折り込んで生地をまとめる」方式なので、正直水が5cc違っても最終的な違いはまったくないのではと思うのです(・x・)
結論:パンづくり初心者はこちら
前回の本もそうでしたが、藤田さんのパンの本はほとんどのページが同じ生地にあれを入れたりこれを入れたりした写真集です。
基本はどちらも同じ。本の内容も大差ありません。
もしかしたら入れるものが変わってるのかもしれませんけど、私はそもそもパンにまぜものはほぼしないので、入れるのが黒豆でも甘栗でもごぼうサラダでも「なんか混ぜてあるパンがうつってるページ」だとしか思いません。
なので、私にとっては、どっちの本のアレンジ紹介も「大差ない」です。比較もしてませんのでどうしても甘栗じゃなくて甘納豆を入れるアレンジがほしいとか黒豆じゃないと許せないとか、そういうひとは書店で細かく立ち読みしてから買ってください(;・∀・)
本全体の作りとして、最初のほうにも書きましたが、前回の本はふだんパンを作ってる人向け、今回の本はこれからパン作りに挑戦したい人向け。
前の本を持ってて一度でもパンを焼いたことがあるなら今回の本は不要だと思います。
が、これから手間なく焼けるパンに挑戦したくて、どっちを買おうか悩んでるなら、今回の本のほうをおすすめします(・∀・)
データ
大型本: 144ページ
出版社: 主婦の友社 (2015/2/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4072998265
ISBN-13: 978-4072998267
発売日: 2015/2/12